Qtopiaアプリケーション

Qtopiaとは

SL-5000Dの基本アプリケーションは、 Trolltech社の Qtopia (旧称QT/Palmtop)とゆうパッケージが搭載されている。 さらにこのパッケージはソースコードが公開されており、自分で改造することも可能。 つまり、「俺はメーカーが作ったお仕着せインターフェイスは嫌いDAZE! 自分好みにカスタマイズしたいぜ!」とあれば、 ソースコードに手を加えたり、GUIエディタでボタンの配置を換えたり、 自分の使いやすいように変更も可能、とゆうことだ。

画面については、 スクリーンショットを見た方がきれいだと思う。
なお、画面中、日本語が表示されていたりするが、 SL-5000Dでは日本語は表示できない。 Qtopia自身はUnicodeに対応しているものの、SL-5000DにはUnifont (Unicode用のフォント)が導入されていないからである。 (もっとも、単純にフォントを入れればいいという話でもないようだが。)

全体の印象

各アプリの印象の前に、全体的な印象。
Qtopiaの操作系はザウルスやPalmよりも、むしろPocket PCに似ている。 下部にタスクバーがあって、スタートメニューボタンがあったり、 タスクアイコンが出たり。 カードのイジェクトもタスクアイコンをクリックして行う。

一見した感じでは、OSがLinuxである、ということを全く感じさせない。 しかし、ボタン類、画面構成などを見てみると、Motif風というか、 昔ながらのLinux GUIっぽさが随所に見られる。
また、それぞれのアプリケーションはブラッシュアップされておらず、 PDAアプリケーションとして見たときには、どれも今ひとつ。 見た目やインターフェイスがどうもこなれていない。 ちょうど、MicrosoftがPalmSize PCを世に送り出したとき、 その印象が「WindowsのソフトをそのままPDAサイズにしました」 というものだったのと同じように、 「KDE(Linuxデスクトップ)のソフトをそのままPDAサイズにしました」という感じがする。
また、連係機能の弱さが目を引く。 それぞれのソフトでメンテナンス担当が独立しているためなのか、 たとえば、メールを書く際に、アドレス帳を参照する、 といった日本版ザウルスで慣れている連係機能が使えない。

ただ、逆に、これだけデフォルトアプリのデキが悪いと、 却ってサードパーティが参入できる余地があるかも知れない。 日本版ザウルスでは、それなりに性能のいいPIMアプリケーションが初めから導入されいるため、 サードパーティがデフォルトアプリを置き換えるものを作っても、 商売として成り立つかはやや疑問。シェアはデカイはずなんだけどね。
ただ、あくまでPDA慣れ、特にグラフィカルなMI系ザウルスに慣れ親しんでいるから、 「見た目が悪い」「インターフェイスが悪い」という印象を受けるのだけど、 PCに慣れているならば、案外、どうということはないのかも。


アドレス帳

PDA必須アプリの一つ。登録項目は以下の通り。 PDAで登録できる項目としては、かなり多く、OutlookなどPC用ソフトに近い。 なお、データはXML形式で保存されるため、 他のソフトで再利用することも可能と思われるのだが、 実際には標準搭載のメールソフトとすら連携できていない。
日本版ザウルスと違って、First NameとLast Nameが分離できるのがうれしい。 Full Nameだけだと、Outlookなどとシンクロすると、崩れるから困るのさ。


スケジュール

スケジュール
PDA必須アプリの一つ。登録項目は以下の通り。これもまたデータはXMLで記述される。
日本版ザウルスでは弱い「繰り返し起こるイベント」の設定が充実している。


ToDoリスト

PDA必須アプリの一つ。登録項目は以下の通り。やはりデータはXMLで記述される。
日本版ザウルスの「アクションリスト」では、 「開始日」と「処理日」が登録できるが、その機能がない。


メモ帳

PDA必須アプリの一つ。「Text Editor」とゆう名前になってはいるが、 実際はメモ帳。保存形式はPlain Text。


電卓

電卓
結構多機能な電卓が付いてる。 関数電卓とまではいかないが、対数、三角関数なども使える。 また、度量衡換算機能も搭載されていて、重宝しそう。
ただ、デザインにセンスがない。 なぁんか、ボタンを並べました、というだけで、Linux臭くてちょっと嫌い。


時計

時計
ストップウォッチ機能搭載のアナログ時計。 X Windowでおなじみの、xclockによく似ていて、非常にかっこわるい。 というか、これもLinuxとしてのアイデンティティ?


世界時計

世界時計
こちらは先の時計よりグラフィカルでちょっとかっこいい。 ちょうどHandspring Visorに搭載されているものに似ている。
世界地図が出て、どこが夜なのかも表示してくれる。 日本版ザウルスでは基準都市と世界都市の2カ所だけだったが、 同時に6都市の時間を表示することができる。 サマータイムは自動設定かな?


イメージビューア

ザウルスで言うところの「フォトメモリ」。 その名の通り、画像を表示するだけの機能しか持っていない。 画像の回転表示機能、フル画面表示機能がある。
日本版ザウルスでは手書きメモもとれたのだが、 それに該当する機能は搭載されていない。 Palmでもm100以降でしか搭載されていないところを見ると、 欧米ではあまり利用されない機能なのか?


メール

マルチアカウントや添付ファイルなどにも対応したメールソフト。 ただし、POP3サーバーにしか対応しておらず、 IMPA4やMicrosoft Exchange Serverなどは使えない。
マルチアカウント機能が日本版ザウルスより秀でている。
しかし、「アドレス帳」に記載されているメールアドレスにメールを送る、 ということができない。 「アドレス帳」とは別の「メールアドレス帳」を独自に持っており、 そちらからのアドレス抽出はできるのだけど。


メディアプレーヤ

プレイリストにも対応した、MP3/MPEG1/MPEG2プレーヤ。 MPEG2が再生できるといっても、実用的なサイズは160x120かな。 240x160, 320x240になると、動きがあからさまにカクカクする。
MP3プレーヤ時には、Windows Media Player for Pocket PCのような プレーヤボタン画面になる。 しかし、ボタンが出るだけで、ID3タグが表示されるとか、 時間が表示されるとか、そういったことはない。 スキンの変更もできない。
また、ビデオ再生時には、すべての操作ボタンは排除され、 一度再生すると停止することしかできない。ポーズもできない。
それと、ビデオ再生性能は疑問の残るところが多い。 PocketMovies.net でいくつかMPEG1ビデオを落としてきて、iPaqと比べてみたところ、 あからさまに、iPaqより再生が遅い。 音声だけが先行して、画面が後で付いてくるような現象が発生する。 よって、最後の場面までいかないうちに、終わってしまう。 さらに、MPEG1でもMPEG2でも、再生性能があまり変わらない、 というのもよくわからない。 160x120 15fpsならMPEG2でも実用的に再生できるのだが、 240x160 15fpsになると、MPEG1でもコマ落ちする。 コーデックがStrongARM向けに最適化されていないためなんだろうか?
プレーヤのインターフェイスとしては、 日本版ザウルスMI-E1/E21に搭載されているプレーヤの方がずっといい。 それに、MPEG1よりMPEG4の方がいいと思うし。サイズ小さいから。


ターミナルソフト

最もLinuxらしさの残っている部分。 ファイル操作など、Linuxのコンソールコマンドが使える。 もちろん、コンソールアプリも動くはず。 なお、シェルはbash。


ファイルマネージャ

電卓
Pocket PCのエクスプローラを彷彿させるファイル管理ツール。 PCユーザーにとっては使いやすいインターフェイスかと。 ただ、Pocket PC同様、ツリー表示機能はない。
日本版ザウルスでは標準搭載されていないアプリ。 純粋なPDAとして使っている分には、あまり必要ない機能とも言えるけど。


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