SL-300Aとの比較

日本語版Linux Zaurus発表

ようやくというか、ついにというか、Linux Zaurusが日本でも登場です。 これで近いうちに、MIシリーズも終わりかな、という感じですね。 MI-E1なんか値崩れして、2万円割ってるみたいだし。 2万円であの性能なら、ものすごくお得だと思うんですけど。
さて、SL-A300はやれ中途半端だなんだと言われますが、 SL-5500J(仮)なんてのを出したとしたら、MI-E21とラインがまったくかぶっちゃうので、 とりあえず別路線からスタートってとこでしょうね。 1年もしないうちに、SL-6000Jなんてのが出るんじゃないでしょうかね?

SL-A300はハードウェアのスペックこそ多少の差はあれ、 基本的にSL-5000Dと同じですから、同じソフトが使えるはずです。 ブラウザもKonquererがあるし、MP3プレーヤもあるし、PDFビューアもあるし、 パッケージには収められていないものの、ダウンロードさえすれば、 PalmやPocketPCにも引けをとらない環境が構築できると思います。 というか、MIザウルスよりすでにソフト数が多いんですよねえ。
ところで、Palmエミュレータは期待しない方がいいですよ。 あまりにもの遅さに泣けますから。

搭載アプリケーションの比較

シャープのSL-A300のニュースリリースに、収録ソフト一覧が出ていますので、 これとSL-5500のソフトとの対比をしてみましょう。

個人情報管理(PIM) アドレス帳内蔵内蔵
カレンダー内蔵内蔵
ToDo内蔵内蔵
画像/テキスト イメージノート(画像ビューア/手書メモ)内蔵内蔵
メモ帳(テキストファイルビューア/エディタ)内蔵内蔵
インターネット メール内蔵内蔵
ブラウザオプション内蔵
オフィス Hancom Mobile Word CD-ROM内蔵
Hancom Mobile SheetCD-ROM内蔵
Hancom Mobile Presenterなし内蔵
Java実行環境 JeodeCD-ROM内蔵
サンプルソフトCD-ROM内蔵
ソフト起動/
ファイルマネージャ
ホーム内蔵内蔵
ユーティリティ 時計内蔵内蔵
電卓内蔵内蔵
世界時計内蔵内蔵
ヘルプ内蔵内蔵
システム情報内蔵内蔵
TerminalなしCD-ROM
File BrowserなしCD-ROM
Sound RecorderなしCD-ROM
CameraなしCD-ROM
郵便番号辞書 7桁郵便番号辞書データ内蔵なし
MIザウルスデータ移行 データ移行内蔵なし
効果音 サウンド設定内蔵なし
その他 バックアップ/リストア内蔵内蔵
画面デザイン設定内蔵内蔵
キー設定内蔵内蔵
シークレット設定内蔵内蔵
赤外線受信内蔵内蔵
ライト/省電力設定内蔵内蔵
PCリンク設定内蔵内蔵
ソフトウェアの追加/削除内蔵内蔵
日付/時刻設定内蔵内蔵
タッチパネル調整内蔵内蔵
Internet Wizardなし内蔵
Wireless LAN Settingなし内蔵
PROXIM Settingなし内蔵
Shutdownなし内蔵
文字入力 手書認識内蔵(日本語)内蔵(英語)
50音内蔵なし
タイプライター内蔵内蔵
数字入力内蔵なし
記号入力内蔵内蔵
区点入力内蔵なし
Quickttypeなし内蔵
パソコンソフト ザウルスショットCD-ROMなし
Intellisync for ZaurusCD-ROMCD-ROM
QtopiaDesktopなしCD-ROM

SL-A300では標準状態ではネットワーク接続ができない(注)ので、 ブラウザやネットワークに関する設定が省かれています。 おそらく、このあたりはコミュニケーションアダプタに付属のCD-ROMに 設定ソフトウェアも収録されるのでしょう。

※注 SL-A300はコミュニケーションアダプタを使わないと、 ネットワーク接続できなさそうな印象がありますが、 SL-5000Dでの経験上、USB経由によるパソコンを経由したネットワーク接続、 または赤外線モデムを利用したネットワーク接続が可能です。 ゆえに、SL-A300単体でもネットワーク接続はできると思います。

ところで、「ザウルスショット」は「sambaの機能を使っている」 というニュースがありましたから、SL-A300ではsambaサーバーがあらかじめ 入っていると思われます。

気になるのは「赤外線受信」ですね。 SL-5500では「Beam Receive」という名前でPalmからのビームを受け取るツールが存在するのですが、果たしてこれは同じものなのでしょうか?それとも、MIザウルスとの赤外線通信なんでしょうかね?
個人的には、このソフトはQtopiaに含まれていることから、PalmとのBeam用だとにらんでいますが。 となると、MI系ザウルスとは赤外線通信ができない、というすごいことになってしまいますが…それはMIデータ移行ツールでカバーするのかな?

あと、Jeodeが標準でははずれている、というのも気にかかります。 シャープのいう「JavaによるMIシリーズとのソフト互換性」とかいうのは、 Javaが標準搭載されていて初めて実現すると思うのですけど。
まあ、そういう意味では、MI-E1/L1のJava実行環境も、 標準搭載されているわけでもないし。 それに、開発者向けが出ただけで、コンスーマー向けに出そうにもないことから、 シャープのJava戦略も迷走している印象です。

日本語環境はやはりメモリを消費する?

おそらく、JeodeとWebブラウザが標準搭載されていない背景には、 一つには製品的に重要度が低いというのもあるでしょうが、 なにより、メモリ不足によるものだと思います。
その理由は、言わずもがな、日本語化によるものです。
フォントがどれだけ搭載されているのかわかりませんが、 10ドット日本語フォントで250KB程度必要です。 画面写真などを見ると、12ドットフォントなので、 おそらく、500KBほど使っているでしょう。 もし、MIザウルスと同様に、16ドット、24ドットフォントも搭載するとなれば、 かなりの容量が必要となってきます。
また、SL-A300では日本語手書き入力と21万語の変換辞書を搭載しています。 これがかなり大きいと推定されます。 株式会社アックスが公開した日本語手書き認識ツール「布目 for Qtopia」でも、 システムと手書き認識辞書で合計3.4MBほど必要です。cramfsに圧縮されれば、 800KB程度に収まりますが。 しかし、シャープの手書き認識システムは遙かに性能が高いので、 それ相応にメモリを消費するのではないかと考えられます。

しかし、これらも、内蔵フラッシュメモリが多ければ、 すべてのアプリを標準搭載したままで出荷できると思うんですけどね。
アプリケーションの搭載内容から推定すると、SL-A300に搭載されているフラッシュメモリは、SL-5500と同じく16MBであると思われます。 32MBのものにすれば、Jeodeなども入ったでしょうに。
標準的なPocketPC機が32MBフラッシュメモリを(システム用に)使っていることもあって、 ちょっと見劣りする感じですね。 まあ、PocketPCがそれだけでかいシステムだ、とも言えるんですけどね。 (圧縮してないだけかも)

ところで、筆者は手持ちのSL-5000Dに、日本語フォント(10ドット)と 布目を内蔵フラッシュに押し込めました。 JeodeもOperaも入ったままです。とはいえ、日本語でメールも読めなければ、 日本語でWebブラウズもできませんがね。
改造方法は、また後ほど。

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